JR東海373系電車の車両設計 - 株式会社 応用技術研究所│静岡県湖西市

JR東海373系電車の車両設計

〜車体の軽量化が生んだ、知られざるメリット〜

ワイドビュー特急車両の強度計算


JR東海のエリアでは、いろいろな路線でお目にかかる特急用車両があります。

373系電車。

ワイドビューふじかわ、ワイドビュー伊那路やホームライナー等で使われている車両です。

特急だけでなく普通列車にも使われており、汎用性が高いことが特長です。

160217_373系_軽量化_JR東海より.jpg
JR東海のサイトより引用


ワイドビュー車両の知られざる秘密


373系は耐腐食性、無塗装化、軽量化のためにステンレス製軽量車体を主構造としています。

実はこの車両、モノコックボディなんです。

乗用車では一般的ですが、鉄道車両では珍しいことなのです。

いったい、どうやってモノコックボディを実現できたのでしょう。


モノコックボディを支える技術


ステンレス鋼板を重ね合わせてスポット溶接することで、車体の強度を維持しています。

もし、1枚の鋼板で同じ強度を実現しようとすると、2枚重ねるよりも重量が増えてしまうのです。

ステンレス鋼板を2枚重ねることで、車体に応力がかかった際に鋼板どうしが擦り合います。

このときに発生する摩擦力を利用し、変形を防止するのです。

2枚の鋼板を重ねることで、1枚のときよりも軽くでき、しかも同じ強度を維持できるというメリットがあります。


軽量化が生んだ効果 その1 省エネ


373系のモーター車と付随車の比率は1:2です。

1両のモーター車がどれだけのモーター無し車両を動かすかという数値です。

通常、通勤電車や特急電車では、この比率は1:0.5〜1:1.5です。

373系の比率が1:2ということは、1両のモーター車で2両の付随車を動かすということになります。

モーター車両の両数を減らすことができたおかげで、電力使用量が減るという省エネ効果が出ました。


軽量化が生んだ効果 その2 メンテナンスコスト低減


車体を軽量化することで、レールへの負担が軽くなりました。

その結果、保守費用が下がるというメリットです。

軽量化することで、レールの損傷が減り、メンテナンスに掛ける時間を減らすこともできたのです。


軽量化が生んだ効果 その3 加速度向上


車体が軽くなったことで、加速度も向上しました。

373系が運用開始した当時は、従来の電車よりも強い加速度を誇っていました。

モーター出力向上やインバータ制御技術の導入ももちろんですが、軽量化による寄与が大きいことは明らかです。


373系の事例に見る、強度計算に必要なパラメータ


必要な強度を計算するだけでしたら、フレームを太くするとか、フレーム数を増やすということで基準を満たすことができます。

しかしながら、重量というパラメータを入れることにより、単純な強度計算では済まなくなります。

応用技術研究所では、最適化という観点から、アナログとデジタルの双方を駆使して強度計算し、部材設計を行います。

基礎的な手計算と複雑なシミュレーションをデジタルで行うことで、お客様のご要望にお応えしております。
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